2D-CAD導入時のステップに従い、BIM”導入マニュアル”を配布して普及を図ったが、現場の利用率は全く上がって来ない。
2D-CADは”CA Drafting”なので、設計業務の下部構造内の適応で導入することができました。
BIMも”CA Drafting”の一種と思って、同じ方法論で導入しようとすると、 大きな壁にぶつかります。
BIMは”CA Design”のツールなので、マネージャー・設計チーフの意識変革も含め導入をはかる必要があります。
BIM利用率を上げるため、各プロジェクトでBIMを必ず利用するようにルール化したが、プレゼン用CGの3Dモデルのみで使われている。
設計チームが”CA Design” 対応のコミュニケーション・ビヘイビアを身に着けていない中で、下部構造・下流工程の中だけでBIMを使うと、このようになるのがある意味では自然な流れです。
若手設計者にBIMで設計するように言ったところ「BIMは施工者のツールなので設計者が使っても意味がないし、残業が増えます」との答え。
ラフな3Dモデルで「こんな感じ」と言って2D-CADraftingに”投げとく”方が、個人としての若手は早く帰れます。
他方、数量化・空間シミュレーション・統合検討とかがバラバラのプロセスになるので全体最適からは遠ざかります。
チームプレイでBIMを活かして使えれば、組織の生産性は圧倒的に高まり、結果として若手の時短となります。
BIMプロジェクトの打合せ用資料がいつまでも出来てこない。
設計チーフに訊くと「BIMは時間かかります!」との答え。
そのうちBIMモデラーがなぜかどんどん辞めてしまい2D-CADに戻った。
“事件の真相”
設計者の指示が曖昧で、モデル作成が滞る・モデルの作り直しが発生。
設計者からはBIMモデラーが遅いとからとの話があがり、BIMモデラーはやり切れない思いでチームを去って行った。
これはフィクションではなくどこでも発生しているドラマです。
階層構造をたどるコミュニケーションが、 ”CA Design” に必要な”ダイレクトなチームコミュニケーション”をブロックしてしまっている典型例のように見えます。